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データサイエンス学部が大津市と連携授業を実施

 滋賀県大津市との連携・協力の一環として、データサイエンス学部が2023年春学期に連携授業を実施しました。大津市との連携授業は2019年度秋学期の「DS入門演習」にて開始し、今年度は3つの科目:「質的データ解析入門」・「データサイエンス実践価値創造演習Ⅰ」・「データサイエンス上級実践価値創造卒業演習Ⅰ」(各担当 和泉志津恵 教授)にて行いました。 

 連携授業の目的は、大学生たちがデータサイエンスの活用現場を知り、PPDACサイクル(問題の気づき→計画→データ収集・加工・分析→分析結果の確認→結果の解釈・問題解決策の提案)における一連の流れを体験し、EBPM(データに基づく政策立案)を行うことです。大津市は、データを活用した政策決定を推進するDX推進室を設置しており、和泉志津恵教授が同室のアドバイザーを務めていることから大津市との連携授業が実現しました。この授業を、中嶋寛文 氏(政策調整部DX推進室長)、大庭博司 氏(DX推進室)、原在嗣 氏(DX推進室)、学生アシスタント(DS学部1名、DS研究科1名)の計5名が支援しました。 

 まずオンライン職場見学では、学生たちは大津市役所職員の方々が作成された職場見学の資料や業務内容の紹介動画をオンデマンド型オンライン授業にて閲覧や視聴しました。その後の対面と同時双方向型オンラインの併用授業にて、職場見学の内容についての質疑応答を含めた意見交換を職員の方々と行いました。また、EBPMの概要や大津市でのデータの活用事例を学びました

 次にデータ解析演習では、大津市が2018年(平成30年)に実施した「次期大津市子ども・子育て支援事業計画等策定のためのアンケート調査」について説明を受けました。そして、大津市の子育て世代の特徴を探索するためのデータ解析の計画を少人数グループに分かれて話し合い、分析計画書を作成しました。調べたい作業仮説を設定し、データ解析に用いる変数の候補を選択し、統計的モデルを組み立て、匿名化アンケートデータ(大津市HPにて公開)を統計的に解析しました。また、統計グラフポスターやデータ分析レポートを用いてデータ解析の結果を視覚化し、解析結果を解釈していきました。

 最後に、学生たちが独自の視点で取り組んだ内容をブラッシュアップして、2023年7月に滋賀大学彦根キャンパスでの発表会に臨みました。学生たちは統計グラフポスターを用いて、質疑応答を含めた議論を行いました。佐藤正昭 教授(データサイエンス学部)や滋賀大学URAの方々も発表会の質疑応答に加わりました。また、大津市職員の方々による審査の結果、「児童虐待の防止に向けた対策や啓発」を報告したグループと「子どもの安全確保対策における新たな対策案」を報告した学生に最優秀賞が授与されました。学生たちの報告結果は、大津市役所内にて回覧され施策の立案に活用されるようです。

 今後も、データサイエンス学部は、データ解析に基づく課題解決に取り組む教育を通して、データサイエンス分野の人材育成について、大津市役所と協働してまいります。

<参考サイト>

・データサイエンス学部生が大津市役所へ政策案(第1弾)を提言 (2020年1月7日)
    https://www.ds.shiga-u.ac.jp/news-faculty/p5142/

・データサイエンス学部生が大津市役所へ政策案(第2弾)を提言 (2021年3月30日)
    https://www.ds.shiga-u.ac.jp/news-faculty/p6075/

・データサイエンス学部生が大津市役所へデータ分析結果を報告(2023年3月1日)
   https://www.ds.shiga-u.ac.jp/news-faculty/p8175/