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データサイエンス学部生が大津市役所へデータ分析結果を報告

 滋賀県大津市との連携・協力の一環として、データサイエンス学部3・4年生27名が、大津市役所へデータ分析結果を報告しました。これは、「質的データ解析入門」(担当 和泉志津恵教授)の履修生が、大津市が2018年(平成30年)に実施した「次期大津市子ども・子育て支援事業計画等策定のためのアンケート調査」の集計結果を、授業の中で再解析した結果をもとに、大津市の子育て世代の特徴を報告したものです。

 この授業の目的は、大学生たちがデータサイエンスの活用現場を知り、PPDACサイクル(問題の気づき→計画→データ収集・加工・分析→分析結果の確認→結果の解釈・問題解決策の提案)における一連の流れを体験し、EBPM(データに基づく政策立案)を行うことです。大津市は、データを活用した政策決定を推進するイノベーション戦略室を設置しており、和泉志津恵教授が同室のアドバイザーを務めていることから大津市役所との連携授業が実現しました。この授業を、伊藤義樹 氏(政策調整部デジタル推進監)、中嶋寛文 氏(イノベーション戦略室長)、田中健太郎 氏(イノベーション戦略室主任)の3名が支援しました。2022年度の授業形態は、対面、同時双方向型オンライン、オンデマンド型オンラインの3つを組み合わせたものでした。

 まずオンライン職場見学では、学生たちは2022年6月3日(金)に大津市役所職員の方々が作成された職場見学の資料や業務内容の紹介動画を、学生たちはオンデマンド型オンライン授業にて閲覧や視聴しました。その後の対面と同時双方向型オンラインの併用授業にて、職場見学の内容についての質疑応答を含めた意見交換を職員の方々と行いました。また、EBPMの概要や大津市でのデータの活用事例を学びました。

 次にデータ解析演習では、「アンケート調査」について説明を受け、少人数グループに分かれデータ解析の計画を話し合いました。調べたい作業仮説を設定し、データ解析に用いる変数の候補を選択し、統計的モデルを組み立て、教育用アンケートデータを統計的に解析し、統計グラフポスターを用いてデータ解析の結果を視覚化し、解析結果を解釈していきました。

 最後に、学生たちが独自の視点で取り組んだ内容をブラッシュアップして、2022年7月20日(金)に滋賀大学彦根キャンパスでの発表会に臨みました。学生たちは班ごとに統計グラフポスターを用いて、質疑応答を含めた議論を行いました。また、大津市職員の方々による審査の結果、「幼児期の子育て環境の満足度に与える要因」を報告したグループに最優秀賞が授与されました。学生たちの報告結果は、大津市役所内にて回覧され施策の立案に活用されるようです。

 また、2019年度からの連携授業をきっかけに、和泉志津恵教授が、2023年1月12日(木)に大津市役所での職員研修会「データ分析の基礎からAIの利活用へ – EBPMのさらなる推進 –」にて講師を務めました。加えて、前述の最優秀賞のグループが「幼児期の子育て環境の満足度に与える要因」の内容を研修会の参加者に向けて解説しました。データサイエンス教育は社会と大学をつなげ、社会に学びの成果が還元されます。

 今後も、データサイエンス学部は、データ解析に基づく課題解決に取り組む教育を通して、データサイエンス分野の人材育成について、大津市役所と協働してまいります。

<参考サイト>

・大津市とデータサイエンス分野における連携協力協定(2018年8月30日)(WARPへ移動)

 https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11875534/www.shiga-u.ac.jp/2018/08/31/59258

・データサイエンス学部生が大津市役所へ政策案(第1弾)を提言 (2020年1月7日)

 https://www.ds.shiga-u.ac.jp/news-faculty/p5142/

・データサイエンス学部生が大津市役所へ政策案(第2弾)を提言 (2021年3月30日)

 https://www.ds.shiga-u.ac.jp/news-faculty/p6075/

・本学連携自治体・大津市が総務省から統計データ利活用の特別賞を受賞(2022年3月4日)

 https://www.ds.shiga-u.ac.jp/news-award/p7043/