学部

データサイエンス学部生が医療データベースを用いた課題研究の成果報告を行いました

 統計数理研究所医療健康データ科学研究センターとの連携・協力の一環として、和泉志津恵研究室の学部3年生9名が「大学生のための医療統計学」の教育プログラムに参加しました。このプログラムでは、大学生たちが身に着けた知識(統計検定2級程度)を実際に使い、Problem-Plan-Data-Analysis-Conclusion (PPDAC)サイクルをまわすことにより、課題解決に至るまでの過程を体験し、実践経験を積み重ねることを目的にしています。

 まず、2019年10月17日(木)に彦根キャンパスにおいて、伊藤 陽一氏(統計数理研究所 医療健康データ科学研究センター長)および立森 久照氏(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター情報管理・解析部 生物統計解析室長、統計数理研究所 客員教授)によるゲスト講演が行われ、コホート研究などの研究デザインや解析方法の説明、さらに医療データ解析事例の紹介がありました。

 次に、統計数理研究所医療健康データ科学研究センターから提供された「母集団100万人の教育用医療データ」を利用するために、データサイエンス学部の専用サーバーに、学生たちが医療データベースを構築しました。この教育用データは、健康保険組合のレセプトデータ及び健診データの匿名加工された医療ビッグデータから抽出された実データです。そして、それぞれの学生が、問題意識をもち、医療データベースを用いて、特定の“標準病名”と“医薬品の成分名”との関係を調べました。一方、和泉志津恵研究室の院生2名は、後輩たちのメンタルモデルとして、自身の課題研究の進捗状況を紹介し、Project-based Learning (PBL)演習における主体的な学びを促しました。

 最後に、2019年12月24日(火)に、国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンターにて、小牧宏文センター長等研究員の方々に、課題研究の進捗を報告し、医療現場の見学を行いました。この報告会では、アドバイザーとしてご参加いただいた小山 暢之氏(第一三共 株式会社)や徳山 健斗氏(味の素 株式会社)に、学生独自の視点で取り組んだ医療データ解析について助言をいただきました。また、2020年2月に統計数理研究所へ報告書を提出し、2019年度の活動を締めくくりました。

 今後とも、データサイエンス学部は、医療データを用いた教育プログラムを通じて、データサイエンス分野の人材育成について、統計数理研究所と協働してまいります。

参考サイト:統計数理研究所と研究協力に関する協定(2016年10月31日)

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 統計数理研究所と研究協力に関する協定を締結しました